ZARD FOREVER

 

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遺謎

桜が散った5月中頃、ふと『君とのふれあい』を聴きたくなった。

現実と虚構を行き来するようなこの歌の世界に、今頃になって魅了されることに。

  ♪永遠に感情を 胸にしまい込んでおくことはできない♪

冒頭、何らかの主張を強く述べたかと思えば

  ♪海岸通りを歩いていくと 君の部屋が映(み)える

   若かったあの頃は 夢は思い通りで
   何でもできると思っていた♪

と急に現実の世界、主人公の視点に引き戻される。

♪永遠に…♪ と平面的にテーマを述べたかと思ったら、
♪海岸通りを…♪ と空間的な広がり、
♪若かったあの頃は…♪ と時間的な広がりを描いて見せる。

  ♪遠い旅をしているみたいに
   別々の道を このまま…
   二人もう 会えないのかな
   もうサヨナラだね
   君とのふれあい♪

そしてココ。何が感動したのかというと、

♪遠い旅を…♪ があまりピッタリな比喩になっていないことと、
♪二人もう…♪ が主人公の視点ではなく、この物語を外から見ている第三者の視点に思えること。

理論的に歌詞を構築するタイプなら、おそらくこうは書かないであろう整合性の無さが、思い通りにならないときの精神の揺らぎや浮遊感を巧みに表しているように思えるからだ。

  ♪ささやかな約束… もしそこで待っていてくれなかったら
   桜散りゆくように それを答えだと思う

   支え合ったり ときには反発し合ったりで
   未来(さき)の話(こと)を口に出すのが怖かった♪

ここは主人公の視点。ここはすんなりとわかるのだが

  ♪涙流れるように
   無器用で我がままだった
   流れ星が見えるのかな…
   大人びていたね
   君とのふれあい♪

ここも
♪涙流れるように♪ があまり的確な比喩になっていないように思えるし、
♪流れ星が…♪ が唐突で、とても自然な流れとは思えない。
その合間の
♪無器用で…♪
♪大人びていたね♪
は主人公の素直な気持ちと思われる。

そしていよいよエンディングに向けて、“坂井ワールド”が躍動する。

  ♪遠い旅をしているみたいに
   君のことをずっと思う
   迷宮の彼方に
   優しかった 君とのふれあい

   夢を見ているみたいに
   別々の道を このまま…
   二人もう 会えないのかな…
   もうサヨナラだね
   君とのふれあい♪


もはや説明はいらないだろう。

坂井さんは、誰もが経験するであろう人生の僅かな行間に、
切り込むように“神”の視点を放った。

一人になってこの歌を聴きこむと、自分の中にある多面性、複雑性に、
何とも言えない心地よい刺激を与えてくれるのだ。

一方向に収まらない構想、突如世界が広がるような言葉のダイナミズムは、坂井さんの詞の特徴だと思う。

最後に。

グレーに見えたこの歌の世界に、3つの色を僕は見つけた。

♪海岸通り…♪ の海
♪桜散りゆくように…♪ の桜

そして

♪流れ星が…♪ の光


悲哀溢れるかすかな旋律に、なぜか3つの色を遺した。

やはり坂井さんは“イジワル”だ。

ウーむ、いつまでも ♪迷宮の彼方に♪…
  1. 2014/05/27(火) 00:05:41|
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